朝日新聞徳島版に当社が掲載されました。
少し時間が経ちましたが、朝日新聞徳島版にオニヒトデの堆肥化について当社の代表である與那嶺に対するインタビューが掲載されましたのでブログにて紹介させて頂きます。
以下、朝日新聞電子版より引用
オニヒトデ 肥料化試み サンゴの天敵 2010年03月16日
http://mytown.asahi.com/tokushima/news.php?k_id=37000001003160003
サンゴの天敵として駆除したオニヒトデを肥料に使おうという試みが、県内と沖縄県で動き出した。これまでは、においや成分の問題から、焼却か埋め立て処分するしかなかった。駆除する人も研究者も「せっかくの命をごみにしてしまうのは忍びない」という思いで、実用化を目指している。
(東孝司)
県果樹研究所の山尾正実所長(59)は昨年11月、県南部で自然保護に取り組むNPO法人「カイフネイチャーネットワーク」からオニヒトデ240匹(約110キロ)を引き取った。肥料にできないかと考えたからだ。
1カ月余りかけて干し、機械で粉砕したら約10キロの粉末になった。成分は、市販の肥料に比べ窒素は少ないが、カルシウムが豊富。植物の生育に必要な鉄、銅、亜鉛も含まれていた。山尾所長はカルシウムや微量要素を売りにした土壌改良材なら有効だと考えている。
今後、生のまま堆肥(たい・ひ)化したり、他の有機物と混ぜて肥料にしたりする試験も進め、2011年度から実際に果樹に使って効果を測っていく。
同NPOは昨年、牟岐町沖の世界最大級のハマサンゴ(高さ9メートル)を守ろうと、3回にわたりオニヒトデを駆除。温暖化でオニヒトデの越冬が可能になり、食害のおそれが高まってきたという。
3、6月に取った約400匹のほとんどは、手数料を払ってごみ焼却場で処分。土に埋める案も出たが、においがひどく断念した。それだけに、11月分について研究所からの引き取りの申し出は朗報だった。NPOメンバーでダイバーの森永達矢さん(28)は「駆除だけじゃなく、有効利用もすると思うと進めやすい」と話す。
今月14日には今年最初の駆除をし、371匹を捕獲。だが引き取り手がなく、再び焼却せざるを得ない。「ぜひ役立ててほしい」とNPO理事長の浅香新八郎さん(72)は実用化を待っている。
沖縄県うるま市の肥料会社「シンソー」では、有機肥料化を試みている。昨年6月、地元漁協が駆除した約700キロを譲り受けた。米ぬかと一緒に発酵装置に入れ、120キロの有機肥料を作ってみた。
発酵の際に毒が無害化されると分かったが、塩分濃度が通常の肥料より高くなり、まだ研究が必要だ。
与那嶺泰弘社長(39)は「塩分を抑えるアイデアはある。サンゴ保全を進めるためにも実用化させたい」と意気込んでいる。
サンゴ保護のためオニヒトデを駆除している他の地域でも、処分に困っている事情は同じだ。
和歌山県白浜町のサンゴ群生地では、昨春から自然保護団体「紀州灘環境保全の会」が中心となり駆除。この1年で取った274匹はすべて焼却した。中家勝之会長(54)は「将来、駆除数が増えれば焼却が追いつかないかもしれない。捕獲ではなく、海中で薬液を注入して処分する方法を検討したい」と話す。
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